こんにちは、ponです。
先日久しぶりに宝塚大劇場にて観劇してきました。
お正月公演以来なので、実に約半年ぶり。
今回は花組公演『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』の感想です。
少しのネタバレ及びかなりの個人的感想含みますのでご注意ください。
フランツ・リスト:柚香光
私の中でリストは、神経質・ナルシスト・繊細・かまちょ。精神的に大人になり切れていないめんどくさい人っていうイメージです。
作中でもそれが感じられるところがちょいちょいありました。
リストと言えば美しいビジュアルですが、その点はれいちゃん何の問題もございません。
個人的にれいちゃんの金髪は好きなので、今回の色素薄い系の金髪はよいと思います(長髪はあまり好きではありませんがw)
演技の面でも特に「ん?」ってとこはありませんでした。
どん底のリスト、上り詰めたリスト。
どちらも危うさが感じられてよかったと思います。
所謂「自己顕示欲」の為、徐々に身を滅ぼしていっているリストの姿は観ていて心が苦しくなりました。
どんどん豪華になるお衣装がより滑稽さを際立たせていたのも印象的。
欲を言えば、ハイとローの差がよりハッキリするともっとよかったかも。
天と地の振り幅が大きいところが面白さなので。
あと思ったことは「れいちゃんめっちゃ歌うやん!」
れいちゃんといえば、これまでは歌唱面が少々苦手な印象でした。
でも、今回すんごい歌っています。本当にたくさん歌っています。
ノリノリな曲もしんみりな曲も。
お世辞にも「歌うまだー!」とまでは言えませんが、以前より声量もありましたし音域も広くなったと感じます。
高音も出ていました。
安定性にはまだかける部分はあるかもしれませんが、個人的には歌唱面にすごく成長を感じました。
マリー・ダグー伯爵夫人:星風まどか
史実ではリストより6歳も年上の彼女。
でも、まどかちゃんが演じるとやっぱり大人の女性には見えないかな。
ただ、設定を知らなかったら何の違和感もなくみられます。
声も落ち着いた声色にされていましたし、歌もお上手なので何のストレスもなく観劇できました。
フレデリック・ショパン:水美舞斗
私の中では、マイティーの新たな演技の幅が観られた感じがします。
これまでは少々荒っぽい性格やクセの強い役のイメージだったので、今回のように、大らかで優しく諭すようなタイプの役を演じるマイティーは、私の中では新鮮でした。
また、天命が近いこともあってかいつもとは違うメイクをされていて儚さもあってよかったと思います。
リストを見捨てることなく最後まで温かく見守り支えたショパン。
そんなリストとショパンの関係性と、れいちゃんとマイティーの関係性を結びつけて観てしまい胸が熱くなりました。
ショパンをマイティーが演じるってことが大きかったですね。
ジョルジュ・サンド:永久輝せあ
今作品で何気に超重要な位置にいるサンド。
当時では珍しい、しっかり自立した男装の女性。
男性たちに混ざって社会に出る強さと、相手に寄り添う優しさを持った素敵な女性と感じました。
とにかく言いたいことは「私は永久輝せあさんの声が大好きです!」ってこと。
普段の男役の発声ももちろん好きです。
そして、今回の可愛さと艶やかさを感じさせるサンドの発声もとってもいい!
特徴がありセリフもしっかり聞き取れる。
リストとサンドが歌うシーンがあるのですが、お二人の声は相性がいいように思いました。
ひとこさんの声と演技が更に好きになりました。
ラプリュナレド伯爵夫人:音くり寿
今回の観劇で1番の目的は、「音くりちゃんの姿を目に焼き付ける事」
今作品での退団が発表されている彼女。
私は彼女の演技、空気感が大好きです。
そんな彼女のかっこいい姿を目に焼き付けようと意気込んで参戦しました。
やっぱり音くりちゃんは最高でした。
彼女が一言発するだけで場の空気を一気に持って行く、そんな存在感を感じます。
地位にものを言わせて若い子を食い物にしているご婦人。
音くりちゃんが演じるとホント怖い!w
音くりちゃん自身はまだ若し、見た目は小柄で丸顔なので可愛らしいのですが、いざお芝居をした時のあの圧はどうやって醸し出しているんでしょうね。
声もよく通るし全身で演じられていて「もっと彼女の声が聞きたい、演技が観たい!」と感じさせるぐらい凄まじいエネルギーを感じました。
まとめ
作品全体としては悪くないと思います。(←超上からに聞こえますねwすみません)
ただ「作中にリストの曲出てきたっけ?」っていうぐらい、なんだかリスト感(?)はなかったかもw
ラストもダダダーっとまとめられた感じでちょっと残念だったかな。
でも、他人との比較や他人の尺度でしか自身を測れないリストの人間性や脆さ、危うさ。たま、自己顕示欲や承認欲求など、現代の私達にも当てはまるような内容も見受けられ刺さるものがありました。
もしかすると、観れば観るほど発見できるものが多い作品かもしれません。
さらに、花組の美しいビジュアルと、全体的な技術の高さで楽しめる作品だったと思います。
ではっ!
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